ITSMツールを活用する上でのポイント

ITSMツールを導入する上での注意点

顧客や社員などユーザーニーズに合ったITサービスを提供できるように管理することをITサービスマネジメント（ITSM）といいます。ITSMツールは、そのITSMを効率的に運用するためのツールで、現在、市場には様々なITSMツールが出回っていますが、機能や費用、操作性を見極めて自社の目的にマッチしたツールを選ぶようにしましょう。

ITSMツールの機能

ITSMツールに実装されている主な機能には以下のものがあります。

• 記録…ユーザーからの問い合わせ（受付日時、問合せ内容、対応進捗状況、解決時間など）を記録
• ステータス…受付済、対応中、クローズなど、問合せ管理などのステータスを選択
• 優先度付け…問合せの優先度を3～5段階に分けて設定
• 分類…ソフトウエア、ハードウエア、ネットワーク、サービス種別など、管理対象サービスによってカテゴリーを分類
• ワークフロー…事前定義した仕事の流れ（ワークフロー）に従って依頼を所定の宛先に転送
• 検索…キーワードで記録された内容を検索
• 分析…指定条件で記録された内容を分析
• リポート…記録された内容のグラフ化や報告書を作成
• 関連付け…システムエラー情報、過去変更履歴など様々な情報を関連付けて管理

ITSMツール導入時の注意点

機能だけで選ばない

ツール導入にあたり機能比較をすると、つい多機能なツールを選びがちです。機能が多いにこしたことはないのですが、ITSMツールはジョブ管理ツールなどとは違って導入後すぐに効果があらわれるわけではありません。人間が利用することで効果があらわれるものなので、しばらく使ってみないと費用対効果が見出せないからです。そのため本当に自社に必要な機能なのか、使いこなすことができるのかという点を検討することが重要です。

カスタマイズの必要性を検討する

「自社に合わせてカスタマイズできる」というツールも魅力的です。しかし実際は自社に合わせて細かいカスタマイズを行うことは難しい場合が多いです。自社に合わせて外部委託でカスタマイズしてもらった場合には、費用がかかるだけでなく、自社で簡単にカスタマイズすることが難しくなる、バージョンアップに対応できなくなるということもあります。どこまでのカスタマイズが必要なのかツール導入前に十分検討しておくことも必要です。

自社が選ぶべき
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ITIL®に沿った運用を成功させるためのポイント

ITサービスマネジメントの成功事例（ベストプラクティス）を体系化したガイドラインであるITIL®（Information Technology Infrastructure Library）」はITSMのフレームワークとなっています。ITサービスを適切に管理する方法がまとめられているITIL®の活用により、ITサービスマネジメントを効率的、効果的に実現することができます。

運用を成功に導くポイント

3つのポイントを意識する

ITIL®を活用したITSMの運用を成功させるためにはプロセス（業務の進め方を見直す）、ピープル（業務にかかわるメンバーのスキルや意識を把握する）、プロダクト（適切なツールを導入する）という3つのポイントを意識することが重要です。

情報共有環境の構築

インシデント発生時に早急な対応ができるよう、スムーズに情報共有できる環境・体制を構築しましょう。グループウェアやビジネスチャットやコミュニケーションツールの導入も有効です。

問題管理と変更管理

インシデント発生時には対処と記録を行うだけでなく、恒久的な対策を行えるように問題管理と変更管理も行いましょう。

ツール導入を検討

ツールを導入することでインシデント管理、情報共有、イベント管理などがしやすくなり、効率的なITサービスマネジメントが行えるようになります。

多種多様なITサービスが提供される現在、ユーザーニーズに合ったITサービスの提供を管理するITサービスマネジメント（ITSM）が組織や企業で注目され、色々なメーカーやベンダーによってITSMツールもリリースされています。
リソースや業務を可視化できるツール、ヘルプデスクを充実させたツール、様々なオペレーションをひとつに集約したツールなど、ITSMツールによってそれぞれ特徴や実装されている機能が異なります。機能はもちろんのこと、操作性、費用などの点も踏まえ、自社に合ったツールを選ぶようにしましょう。