ITPMやITOMとの違い

ITプロジェクト管理（ITPM）は情報技術プロジェクトの成功を確実にするための戦略的なアプローチですが、具体的にどのような役割を果たしているのでしょうか？

ITPMはプロジェクトの計画、実行、モニタリングから報告に至るまで、全プロセスを包括的に管理することが可能です。

この記事では、ITPMの基本的な概念とそれが企業やプロジェクトに与える具体的な影響、そしてITSMやITOMとの違いについて詳しく解説しています。

ITPM（IT Process Management ）とは

IT プロジェクト管理 (ITPM：IT Project Management) とは情報テクノロジーのプロジェクトの目標を達成するために行われる計画、スケジューリング、デリバリ、モニタリング、レポート作成などの業務を管理するプロセスです。
ITPM担当者は単にITのライフサイクルを完成させるだけでなく、相互依存している統合システムなどのアップグレード、バージョン管理、古いシステムを保持した新しいシステム開発、ベンダーの選択などにも対処します。

ITPM管理者の仕事

自社のITプロジェクトの目標を達成するためのタスク遂行に関し、ITPM管理者は以下のような仕事を行います。

• プロジェクトの計画と戦略立案
• プロジェクトチームのメンバーを集める
• チームメンバーへの責任割り当て
• タスクを実行するチームの管理
• 資金やリソースの予算を策定
• スケジュール管理
• メンバー、スポンサー、ステークホルダーとの折衝
• 進捗状況や知見の文書化

ITSMとの違い

ITSM（ITサービス管理）は、顧客やユーザーのニーズにあったITサービスの提供と改善を行うために必要となる活動全般をマネージメント(管理する）ことです。ITPM（ITプロジェクト管理）はITプロジェクトを完了に導けるようにプロジェクト開始から終了までのプロセスを管理するものです。
つまりITSMはサービス提供者がIT管理を効果的、効率的に管理することでユーザーニーズを満たしてサービスの利便性を向上させるための仕組みで、ITPMはプロジェクト自体を管理する仕組みとなります。

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ITOM（IT Operations Management）とは

ITOM（IT運用管理）は組織内のすべてのITシステムが円滑に稼働できるように運用、管理するプロセスです。
ITOMの管理項目には、ITインフラの決定や割り当て、コスト管理、容量管理、パフォーマンス管理、セキュリティ管理、構成管理（CMDB）、データベース管理 (DBMS)、IT資産管理（ITAM）、ITサービス・ヘルプデスク、ジョブ管理、ネットワーク管理、プリンターや周辺機器の管理などがあります。
その中で中心となるのはIT資産管理（ハードウェア、ソフトウェア、ライセンスの統合的な管理）と構成管理です。また、ITシステム運用を最適化するためにIT部門の業務改善を行うことも含まれます。

ITSMとの違い

ITSMはサービス提供方法に重点を置いていてエンドユーザー中心ですが、ITOMはイベント管理、パフォーマンスモニタリングなどITチーム自身が内部処理するための使用手順に重点を置いているという違いがあります。ITOMにおけるITシステム運用の最適化はITSM活動をより強化することになるので、組織や会社はITSMのステップを進めたいというタイミングでITOMに取り組むことになるでしょう。

よく似ていて間違いやすいITPM（IT Project Management）・ITOM（IT Operations Management）やITSMとの違いについて説明しました。
エンドユーザーのニーズに応えるITサービスを提供するためのITSM、ITプロジェクト完了までのプロセスを管理するITPM、ITシステムを運用・管理するITOM。これらを上手く組み合わせ利用することで、組織や企業ではビジネスにおけるニーズをより的確に対応できるようになることが期待できます。