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ITSMの国際標準規格

【2023年版】今導入すべきITSMツールガイド » ISTMツール導入前におさえておくべき基礎知識 » ITSMの国際標準規格
目次

今日では、ITサービスの品質管理がビジネス成功の重要な要素となっていますが、そのための国際基準であるISO/IEC20000について十分理解していますか?

ISO/IEC20000はITサービスマネージメント(ITSM)の品質と一貫性を保証する国際規格で、ITIL®に基づいています。

この記事では、ISO/IEC20000の規格の概要、それがビジネスにどのように利益をもたらすか、そして導入のメリットとデメリットについて詳しく解説しています。

「ITSM」の国際規格ISO/IEC20000とはなにか

ISO/IEC20000はイギリスで生まれたITIL®(Information Technology Infrastructure Library:情報技術インフラストラクチャー・ライブラリー)に基づいて定められたITSMS(Information Technology Service Management System:ITサービスマネージメントシステム)の国際規格です。正式な名称はISO/IEC 20000-1:2018(Information technology-Service management- Part 1: Service management system requirements:情報技術-サービスマネジメント-第1部:サービスマネージメントシステム要求事項)で13の規格で構成されています。

企業活動だけではなく、家庭や個人においてもITサービスの利用が不可欠となった現在、ITサービスを一貫した品質で提供し顧客満足度を向上させることが重要です。ISO/IEC20000規格では、そのための仕組みが定められています。ISO/IEC20000をもとに作成された日本国内における国家規格がJIS Q 20000で、初版は2007年に発行され2020年3月に改正が行われています。

※ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)
※IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)
※ITIL®(IT Infrastructure Library®)はAXELOS Limitedの登録商標

ITIL®との関係

ITIL®はITSMサービスを標準化しITSMSの成功事例(ベストプラクティス)を体系化したITSMSのライフサイクルマネジメントに関するガイドラインで、1989年に英国商務省が策定しV1は書籍約40冊で発行され、2019年にリリースされた現在のV4は3つのカテゴリと34のプラクティスで構成されています。

しかしITIL®は、どこまでやればいいのかという目的が明確にされていなかったため、実際に組織で適用することが難しいものとなっていました。そこで英国規格協会(BSI)は実際に組織でITSMを適用できる規格としてBS15000を整備、その後BS15000をもとにして2005年12月にISO/IEC20000が制定されました。サービス業務プロセスの幅広い分野をカバーするITIL®にはISO/IEC20000には無いインフラストラクチャ管理、アプリケーション管理なども含まれています。

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導入する重要性・メリット

現代の事業活動はITの利用なしで成立できないといっても過言ではありません。そのためITの適切な運営管理が必要となりますが、ITを本業としていない組織や企業には難しい問題です。またITサービス提供者(組織の情報システム部門や外部ITサービスプロバイダー)が突発的に起こる問題対処にふりまわされ組織の経営資源が無駄に費やされてしまうことも多いです。組織や企業で起こるITに関する様々な要求や問題、コストなどを管理するために、ITSMを導入しITサービスを適切に運営していくことが重要です。

ISO/IEC20000を導入するメリット

ISO/IEC20000を導入するメリットには外部的なメリットと内部的なメリットがあります。

外部的メリット

内部的メリット

デメリットはあるのか

ISO/IEC20000認証の取得、維持、運用には多くの時間や工数がかかり、審査のための費用や外部コンサルタント費用もかかります。業務プロセスを可視化、ルール化しても、従わない社員がいた場合、社内の雰囲気が悪くなるという可能性もあります。
しかしこのようなデメリットは一時的であり、長期的に見れば会社にとってはたいしたことではありません。ISO/IEC20000認証にかかったコストを無駄にしないよう、ITSMを効果的に運用できればデメリットはないといっていいでしょう。

取得の条件と流れ

ISO/IEC20000の認証取得の審査には次のような種類がありますが、初回の場合は第一段階審査と第二段階審査が必要です。どちらも原則として審査対象組織のサイトで実施されます。

まとめ

ITSMの国際標準規格であるISO/IEC20000の概要、ITIL®との関係、導入する重要性やメリット、デメリット、ISO/IEC20000認証取得条件と取得フローについて解説しました。
今やITは組織や会社だけでなく一般社会においても無くてはならない存在となっています。ISO/IEC20000はITサービスを一貫品質で提供し顧客満足を向上させるための管理システムを定めた規格です。ITSMの導入を考えている企業は、導入する前に是非参考にすることをおすすめします。

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