ITSMとは　導入するメリットとデメリット

クラウドサービスの進展とDX推進が企業成長の鍵となる中、ITサービスの適切な管理が必要ですね。

ITSM（ITサービスマネジメント）がその解として注目されていますが、その意味や効果をしっかり理解していますか？

ITSMツールは、進化する技術に対応し、標準化されたサービスを提供するための重要な手段です。

この記事では、ITSMの概念とそれを支えるツールの機能、導入メリットからデメリットまで詳しく解説しています。

そもそも「ITSM」ツールとはなにか

クラウドサービスの普及やDXの推進によって様々な場所でITが利用されるようになり、効率的にITサービスを活用できるかどうかが企業の成長にとって重要なポイントとなっています。
ITSM（Information Technology Service Management：ITサービスマネジメント）とは、ITサービスを顧客やユーザーに安定的に提供し、継続的な改善を管理していくためのフレームワークです。つまり組織や企業がITサービスを適切に管理して顧客やユーザーに提供するための仕組みのことで、ITサービス設計、作成、提供、サポートも含まれています。ITSMを利用すれば進化する技術に対応できるITシステムが構築できます。また標準化されたITサービスを提供することで業務プロセスやワークフローの改善も期待できます。

ITSMツールはITSMを効果的かつ効率的に行うためにITSMを実装したソフトウェアです。ITSMツールを導入してITサービスに関する情報を維持、管理、活用することで、安定したITサービスの提供とITサービスレベルの継続的な向上や改善が可能となります。

導入するメリット

ITサービス品質向上で顧客満足度がアップ

ITSMツールの導入によって業務プロセスを一元的に管理できるようになりITサービスの品質があがります。また、プロセスの改善を継続的に行うことで生産性や品質も向上するので安定した品質のサービス提供が可能になり、顧客満足度アップにつながります。

インシデント未然防止と迅速な問題解決ができる

I ITSMツールの問題管理、インシデント管理、構成管理、変更管理などによって、ナレッジベースに様々な情報やノウハウが蓄積されていきます。関連部署や担当者が活用することで迅速な問題解決とインシデントを未然に防ぐことができるようになります。

業務の効率化とコストの削減

I ITSMツールによって様々な業務プロセスを細かく管理できるようになります。単純化すべきプロセスが明確になりIT業務の標準化や見える化によって属人化されたプロセスが排除され、業務の効率化とコスト削減が期待できます。

費用対効果が高くなる

ITSMツールを使うことで様々なプログラムやツールを統合、標準化することができます。それまでバラバラに動いていたものがシームレスに連携することで、企業はより高い費用対効果（ROI：Return on investment）を得られるようになります。

導入するデメリット

無駄にコストが増える

ITSMツールを導入したことによってひたすら管理することだけが目的になり、管理用のデータの分析・測定・レポートに必要以上の工数をかけてしまって無駄にコストが増えるという本末転倒な状況が起こりがちです。そこまでする価値があるのかどうか、関係者の間で十分に話し合い、より効果的な運用方法を考えることが重要です。

サービスプロバイダーのやる気がなくなる

せっかくITSMツールを導入しても、提供するサービスプロバイダーに対し、ITSMが必要なのは何のためかということがしっかりと伝わっていないと、サービスプロバイダーのやる気がなくなってしまいます。

たとえばユーザーからの問い合わせを受けたサービスプロバイダーメンバーはナレッジベースのデータ蓄積のために進捗状況や解決方法を記録する必要があります。
しかしITSMツール導入の目的をしっかりと理解していない場合、いちいち記録するのは面倒だと考えてしまい、だんだんやる気がなくなっていってしまいます。記録することが組織のナレッジベースを充実させ業務プロセスの改善につながることをしっかり伝えることが必要です。

顧客満足度が下がる

ITSMツールを使うサービスプロバイダーのやる気がなくなってしまうと、サービスの品質も下がってしまいます。そのため、顧客満足度も下がるという結果になってしまいます。

ITSMとITSMツールの概要、ITSMを導入するメリット・デメリットについて解説しました。多様化するITサービスを効率的に利用するために、企業ではITサービスマネジメントの活用が重要視されています。企業がITSMを導入するには、それぞれの企業経営に基づいたアプローチと運用が必要となるため、ITSMツールを導入する場合は専門業者に相談することをおすすめします。